Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
次郎は、この日も、あたりまえに学校に出ていた。しかし、そうした噂は、いつも彼の耳から遠いところで語られていた。また、彼自身それに近づいて行こうともしなかった。彼は、休み時間になると、ひとりで校庭をぶらつきながら、いかにも感慨深そうに、あちらこちらを見まわしているだけだった。
誰よりもこの噂で気をくさらしたのは、新賀と梅本だった。二人は最初のうちそれを一笑に附していたが、生徒たちのどのかたまりででも同じようなことが語られているのを聞くと、とうとうたまりかねて、次郎を人けのない倉庫のうらに誘いこみ、半ば詰問するように、女の問題について彼自身の説明を求めた。
次郎はさびしく微笑して、しばらく二人の顔を見つめると、かなり烈しい調子で言った。
「僕はどうせ退学さ。それはもうきまうている。昨日の曾根少佐との問題があるからね。僕自身でも、もうこの学校には未練がないんだから、甘んじて処分はうけるよ。しかし、不都合の行為あり退学を命ず、というような掲示が出た時に、それを女の問題だと思われたんじゃ、僕も残念だよ。だから、これだけは、はっきり君らに事情を話して置きたい。