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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

ことにおまえがストライキに反対だとすれば、なおさらのことだ。」

次郎は、きまりわるそうに血書を机の上において、しわをのばしはじめた。

「血書なんて、たいていしわくちゃになっているものだよ。そう大事にせんでもいいさ。」

俊亮は笑いながら、そう言って立ちあがったが、

「まあ何ごとも修行だと思って、思いきり自分の信ずるところをやってみるさ。自分のおだてに乗りさえしなければ、それでいいんだ。いや、自分で自分のおだてにのらない修行をするんだ、とそう思って万事にあたって行くんだよ。実際、今の時代にはそれが一番大切な修行だからね。そう思うと、朝倉先生は、お前たちのためにいい機会を作って下すったものだよ。先生としては御迷惑だろうが、この機会を生かすんだな。事件はあるいは非常にもつれるかも知れない。しかし、事件がもつれて行く間に、今言ったような修行がおまえたちに出来るとすれば、あとで先生もきっと喜んで下さるだろう。」

俊亮が階下におりると、次郎は血書をていねいにたたんで制服のかくしにしまいこんだ。そして電燈を消してすぐ蚊帳に入ったが、永いこと寝つかれなかった。それは俊三のいびきのせいばかりではなかった。