Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
たいていの日本人は、何かというと、表面堂々とした理由で自分の行動を弁護したり、飾ったりする。しかも、それで他人をごまかすだけでなく、自分自身の良心をごまかしている。それをずるいなどとはちっとも考えない。これはおそろしいことだ。友愛塾の一つの大きな使命は、共同生活の実践を通じて、青年たちをそうしたずるさから救い、真理に対してもっと誠実な人間にしてやることだ。」というような意味のことを、いったことがあったが、次郎は、便所の中から、飯島のうしろ姿を見おくりながら、その言葉を思いおこし、今さらのように、大きな困難にぶっつかったような気がしたのだった。
飯島の足音がきこえなくなると、小便所の掃除をしていた四人が、かわるがわる言った。
「すいぶん、ちゃっかりしているなあ。」
「何しろ紳士だからね。」
「郡の団長なんかやってると、あんなふうになるもんかね。」
「そりゃあ、あべこべだよ。あんな人だから、郡の団長なんかになりたがるんだ。」
「つぎは、そろそろ県会議員というところかね。」
「ふ、ふ、ふ。」
「そういうと、ゆうべの室長選挙も何だか変だったぜ。」
「はじめから、自分が室長だときめてかかっているんだから、かなわないよ。