Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
そして、林をすこしはいって、人目のとどかないところまで来ると、いそいで手紙の封をきり、むさぼるように読み出した。
「……直接会って話すほうが誤解がなくていいと思ったが、しかし、話しているうちに、おたがいの感情がもつれあって、かえって誤解を招くような結果になりはしないか、というふうにも考えられたので、やはり手紙を書くことにした。ぼくは手紙を書くことによって、だれにもさまたげられないで、ぼくの考えていることを、その正否は別として、いちおうピンからキリまで君につたえることができると思うのだ。もっともこの手紙を書くことになった動機は、現在の君の心境についての、ぼくの一方的な判断――むしろ想像といったほうが適当かもしれないが――にあるのだから、その判断がてんで見当ちがいだとすれば、この手紙は全然、無意味だということになるだろう。いや、無意味だけですめばまだいいが、あるいは君の怒りを買うようなことになるかもしれない。しかし、ぼくとしては、結果がどうであろうと、ともかくもいちおうこの手紙を書かないではおれないような今の気持ちなのだ。会って話をすれば、事情がはっきりして、一方的な判断で、無意味な、あるいは危険な手紙を書いたりする必要がないではないか、と君は言うかもしれない。