Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
朝倉先生夫妻に対しても、いくぶん息ぐるしさを感じないではなかった。しかし、仕事の上でどうしても話しあわなければならないことが多かったので、いつもいつも二人を避けてばかりはおれなかった。それに、二人と言葉をかわしていると、やはり何とはなしに慰められるような気もして、いったん話しだすと、あんがい尻がおちつくのだった。しかし、話したあとがいつもいけなかった。というのは、自分の態度に何か不自然なところがあり、それが二人の眼にとまったのではないか、と、それがいやに気になったからである。
かれがこの数か月間、最も親しんで来たのは「歎異抄」で、今度の開塾のすこし前ごろからは、すでに書いたように、毎朝まだ暗いうちに起きて、かならずその幾節かを読むことにしていたのであるが、ことにこの数日間は、ひまさえあると自分の室にとじこもり、くりかえしそれに眼をさらしては、何か考えこむといったふうであった。
かれが最初「歎異抄」というものを読んでみる気になったのは、実は、それが宗教の古典として非常に有名であるというだけの理由からにすぎなかった。しかし、一度それに眼をとおすと、これまでの読書の場合とはまるでちがった魅力をそれに覚えた。