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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

友愛塾の運命、ということが、しだいにかれの頭をなやましはじめた。それは内乱というとほうもない大きな事態の下では、まるで問題にならない些事のようにも考えられたし、また、その反対に、そういう事態になるような国情だからこそ、かえって軽視できない、というふうにも考えられた。しかし、いずれにせよ閉鎖の運命はまぬがれないだろう。内乱状態が間もなく鎮定されるにせよ、ながくつづくにせよ、また、いずれの派閥によって勝利が占められるにせよ、政治の全権が軍の手に握られる以上、こうした種類の青年指導機関が、無事にその存在を許されるはすがない。それどころか、危険はあるいは、田沼先生や、朝倉先生や、小川先生などの身辺にまで及ぶかもしれないのだ。

かれは、そこまで考えると、田沼先生が、今日雪をおかしてさっそくここにやって来られる意味がわかるような気がして、いよいよ落ちつけなくなって来た。そんなことは考えすぎだ。ぱかな! と何度か自分を叱ってみたが、気持ちはどうにもならなかった。

講義が中休みになったらしく、廊下を歩く塾生たちのにぎやかな笑い声がきこえた。次郎の耳には、それが変にうつろにひびいた。