Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
さえたてられているのである。
次郎がこの人の顔をはじめて見たのは、第七回目の開塾式の時であった。その日、かれは玄関で来賓の受付をやっていた。受付といっても、いつもなら来賓はほんの六七名、それも創設当初からの深い関係者で、塾の精神に心から共鳴している人たちばかりだったので、かれにはもう顔なじみになっていたし、ただ出迎えるといった程度でよかったのである。ところが、その日は、いつもの来賓がまだ一名も見えていない、定刻より三十分以上もまえに、一台の見なれない大型の自家用車が玄関に乗りつけた。そして、その中から、最初にあらわれたのは、眼の鋭い、四十がらみの背広服の男だったが、その男は、車のドアを片手で開いたまま、もう一方の手を中のほうにさしのべて言った。
「着きました。どうぞ。」
すると、中のほうから、どなりつけるような、さびた声がきこえた。
「ゆるしを得たのか。」
「は。……いいえ。」
「ばかッ。」
次郎はおどろいた。そして、思わず首をのばし、背広の男の横から車の内部をのぞこうとした。しかし、かれがのぞくまえに、背広の男はもうこちらに向きをかえていた。そして、てれくさいのをごまかすためなのか、それとも、それがいつものくせなのか、変に肩をそびやかして、玄関先のたたきをこちらに歩いて来た。