Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
しかも、朝倉先生との間には、まだ畳二枚ほどの距離があった。
「これから懇談会をやるはずだったね。そうではなかったのかい。」
朝倉先生が一番まえの塾生にたずねた。
「はあ。」
と、たずねられた塾生は、何かにまごついたように、隣りの塾生の顔をのぞいた。
「これでは、しかし、懇談ができそうにもないね。一たい君らは、村の青年団で懇談会をやる時にも、こんな格好に集まるのかね。」
みんながおたがいに顔を見合わせた。
「懇談会なら懇談会のように、もっと自然な形に集まったらどうだ。塾長と塾生とが川をへだてて相対峙しているような格好では、懇談できない。第一、これでは君らお互いの間の話し合いに不便だろう。そんなわかりきったことにまで一々世話をやかせるようでは心細いね。」
そこでみんなは、まごつきながらも、もう一度立ちあがって、どうなり円座の形にすわりなおした。しかしまだ十分ではない。不必要に重なりあって、顔の見えない塾生もある。
すると、先生の左がわにすわっていた次郎が言った。
「だいじょうぶ暴風のおそれはありませんから、そう避難しないでください。」
とうとうみんな笑い出した。