Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
もっとも、本館の一部に炊事夫の家族と給仕の私室があり、なお向こうに空林庵という別棟の小さな建物があって、そこはここにいる三人の私室になっているので、それだけは除外してもらうことにする。こんな除外例を設けると、絶海の孤島という感じがうすらぐかもしれないが、どうもいたし方がない。」
朝倉先生は、そう言って笑った。みんなも笑った。笑わなかったのは、荒田老と鈴田の二人だけだった。
次郎が勢いよく立ちあがっていった。
「では、約一時間たったら、また板木を鳴らしますから、ここに集まって下さい。それまでは自由に探検を願います。」
塾生たちは、面くらったような、しかしいかにも愉快そうな顔をして、いくぶんはしゃぎながら、どやどやと室を出て行った。
塾生たちがまだ出おわらないうちに、朝倉先生が荒田老に近づいて行って、言った。
「長い時間おききいただいて、あうがとうごさいました。しばらくあちらでお休みくださいませんか。」
「いや、もうたくさん。」
荒市老はぶっきらぼうに答えた。そして、
「鈴田、もう用はすんだ。帰ろう。」
と腕組みをしたまま、すっくと立ちあがった。黒眼鏡は真正面を向いたままである。