Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
「みんな無事にそろったかね。」
先生は、事務室をのぞいてそう言うと、そのまま塾長室にはいって行った。二人もすぐそのあとからついて行って、何かと報告した。
先生は到着のしるしのついた名簿に眼をとおしながら、
「大河も来たんだね。何室にはいったんだい。」
「第五室です。いろんな関係から、それが一番よかりそうに思ったものですから。」
次郎は、そう言って、室割りを書いた紙を先生に渡した。それには、大河の名を何度も書いたり消したりしたあとがあった。
「大河の室割りには、ずいぶん苦心したらしいね。それほど神経に病むこともなかったんだが。……しかし、まあ、どちらかというと、室長におされたりする可能性の少ないところがいいだろう。」
「ええ、それを考えまして、第五室には、大河より一つ年上で、郡の連合団長をやっている人を割り当てておいたんです。」
「なるほど。」
朝倉先生は、何かおかしそうな顔をしながら、うなずいた。
三人は、それから、そろって各室を一巡した。朝倉先生は、室ごとに、入り口をはいると、立ったままで無造作に言った。
「私、朝倉です。……こちらは私の家内で、寮母といったような仕事をしてもらうんだが、君らに、これから小母さんとでも呼んでもらえば、よろこぶだろう。