Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
」
「そういっていただくと、あたしたちにもいくらか自信が持てそうですわ。ねえ、本田さん。」
「ええ、ぼく、先生のお気持ちはよくわかるような気がします。」
次郎は頬を紅潮させてこたえた。
「あんまり自信をもってのぞんでもらっても困るよ。白鳥会の精神がいいからといって最初からそれを押しつける態度に出たら、かんじんの精神が死んでしまうからね。お互いが接触に接触を重ねて行くうちに、自然に各人の内部からいいものが芽を出し、それがみごとに共同生活に具体化され、組織化される、そういったところをねらうのが、今度の塾堂生活なんだ。」
夫人も次郎もだまってうなずいた。
「まあ、しかし、こういうことはお互いにゆっくり話しあうことにして、さっそくかたづけなければならないのは、本田君の問題だ。中学校も五年になってからの転校は、どうせ公立では見込みがないので、私立のほうの知人に二三頼んではある。しかし、夏休みのせいか、まだはっきりした返事がきけないでいる。それがきまるまでは、君も落ちつかないだろうと思うが、どうだい、私が紹介状を書くから、君直接会ってみないか。」
「はあ――」
次郎は気がすすまないというよりは、むしろ意外だという眼をして先生の顔を見た。