Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
それからしばらくの間、彼らと次郎との間に論戦が交された。彼らは、あんな破れかかった学校なんかつまらない、と言った。次郎は、空家になった校舎の中であばれるのは面白い、と言った。議論は容易に決しなかった。
「僕一人で行かあ。」
とうとう次郎は怒り出して、さっさと一人で旧校舎の方に歩き出した。するとみんなもしぶしぶそのあとについた。
ところで、空家になった校舎の中で、存分にあばれまわることは、彼らの予期しなかった新しい楽しみだった。第一、床板の反響が、異様に彼らの耳を刺激した。壁の破れ目に、棒を突っこんでこじ上げると、大きな壁土がくずれ落ちて、砲撃の瞬間を思わせるような感じを与えるのも彼らの興奮の種だった。彼らは、ついに、むりやりに数枚の床板をはずして、そこを塹壕になぞらえ、校庭から沢山の小石を拾って来て、それを弾丸にした。小石が土壁にあたると土煙が立ち、板壁にあたると、からからと音を立てた。墓地や鎮守の杜でやる戦争ごっことちがって、次から次へと、眼の前に惨澹たる破壊のあとが現れるので、彼らはいよいよ興奮した。
次郎は、しかし、彼らが興奮すればするほど、淋しくなった。