Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
一九 校舎移転
しかし、そこには、俊亮が默然と腕組をして立っていた。次郎は、彼と眼を見あわせた瞬間に、急に身動きが出来なくなってしまった。
「次郎、父さんについて来い。」
次郎は、おずおずと父のあとに従った。間もなく、二人は二階の暗い一室に向かいあって坐っていた。
俊亮は、しかし、坐っているだけで一言も言葉を発しなかった。次郎は、はじめのうちは、もじもじと膝をを動かしていたが、とうとうたまらなくなって泣き出した。すると俊亮もそっと自分の眼をこすった。
小一時間もたったあと、二人は二階から降りて来たが、俊亮の恐ろしく緊張した顔を見ると、お祖母さんもお民も、お互に顔を見合わせただけで、何も言わなかった。
一九 校舎移転
学校の校舎が古くて危険だという話は、町の人達の間に、大分前から話しあっていたが、やっとこの頃になって新築工事が始まった。場所は現在の校舎から三四丁も離れた川端であった。川には欄干のついた大きな板橋がかかっており、そのむこうにはこんもりと繁った杉林があった。その杉林を背景にして、新しい柱が、何本も何本も、真っ白に光って立ち並んでいくのを、子供たちは、毎日教室の窓から眺めて、胸を躍らせた。