Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

二四 乱闘

「覚えてろ! 竜ちゃんも覚えてろ!」

由夫は無念そうに二人を見送りながら、何度も叫んだ。

二四 乱闘

ひえびえと薬の匂いのする薬局の廊下をとおって、突きあたりの土蔵の階段を上ると、そこが子供部屋になっている。一方の壁には何段にも棚が取りつけてあって、絵本や、玩具が、一ぱいのせてある。すこし暗いが、わりに涼しい。

次郎は竜一とよくこの部屋で遊ぶ。このごろ彼の遊び相手は、ほとんど竜一だけだと言ってもいいくらいだが、それは竜一に親しみがあるからというよりも、むしろこの部屋が好きだからである。戸外での乱暴な遊びの代りに、本を読んだり、絵を描いたりすることに興味を覚え出した彼にとっては、この部屋が一番しっくりする。いろいろの面白い本が読めるうえに、何となく自由で、心から落ちつけるのである。それに、竜一の姉の春子――去年女学校を出て、看護婦がわりに父の手助けをしている――が、おりおりこの部屋にやって来て、二人の相手になってくれるのが、何より嬉しい。春子を見ると、彼は、いつも、自分にもこんな姉があればいいな、と思うのである。

二人は部屋に這入ると、すぐ、棚からめいめいに好きなものを引きずり出して遊びはじめた。