Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
彼は、間もなく、自分の思いつきを後悔した。そんて、仲間が石投げに夢中になっている間に、一人でこっそり校番室に這入りこんで、昨日お浜が腰をおろしていたあたりに、悄然と腰をおろした。
小石はおりおり、校番室の隣の部屋にもがらがらと音を立てて、ころげて来た。そのたびに、彼は胸の底を何かで突っつかれるような痛みを感じた。
(この部屋だけは荒らさせたくない。)
彼は、急に、仲間のすべてを敵にまわして、自分一人で校番室を守ってでもいるような、悲壮な気分になった。
「わあっ!」
突撃がはじまったらしく、廊下を狂暴に走りまわる音がきこえた。しかし、間もなく誰かが叫んだ。
「おい! 次郎ちゃんがいないぞ。」
「ほんとだ。どうしたんだろう。」
「戦死したんか。」
「馬鹿いえ。」
「弾丸を取りに行ったんだろう。」
「そうかも知れん。」
「おうい、次郎ちゃん!」
「じーろーちゃん!」
みんなが声をそろえて叫んだ。次郎は、しかし、彼らに答える代りに、そっと床下にもぐりこんで、息を殺した。
かなり永い間、次郎の捜索が続けられた。最後に、みんながどやどやと校番室に這入って来た。
「いないや。」
「馬鹿にしてらあ。