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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「まあ、何をおっしゃいます。」

「子供って、ただ可愛がってやりさえすればいいのね。」

お浜には、お民の言っている深い意味がわからなかった。しかし、気持だけはよく通じた。

「あたし、それがこのごろやっとわかって来たような気がするの。だけど、わかったころには、もう別れなければならないでしょう。」

「まあ、奥様――」

「あたし、死ぬのはもう恐くも何ともないの。だけど、この子にいやな思いばかりさせて、このままになるのかと思うと……」

「そんなことあるものでございますか。」

「あたし、このごろ、いつもこの子に心の中であやまっているのよ。」

「まあ、――まあ、――」

次郎は、もうその時には、うつむいて涙をぽたぽた落していた。

「でもね、この子もどうやらあたしの気持がわかってくれているようだわ。あたし、何となくそんな気がするの。それでいくらかあたしも安心が出来そうだわ。……でも、お前にも一度あやまっておかないと、気がすまなかったものだからね。」

「まあ、とんでもない。」と、お浜は袖口を眼にあてて、

「坊ちゃん……まあ何て坊ちゃんはお仕合せでしょう。お母さんにあんなに思っていただくんですもの。