Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

」

俊亮が、すぐうしろで大きく笑った。次郎は声をあげて泣きたかったが、父の笑い声をきくと泣けなくなった。で、げえげえ水を吐き出したり、鼻汁をこすったりして、しばらくごまかしていた。

「沈むと思った時に、口をあいて顔を上げたりしちゃいかん。思い切って、息を止めてもぐるんだ。いいか次郎。ほら、父さんがやってみせる。」

俊亮は顔を水に突っこんで、そのでぶでぶした真っ白な体を、蛙のように浮かして見せた。

「どうだい。」

と、彼は顔をあげて、それを両手でつるりと撫でながら、

「じっとしていりゃ、ひとりでに浮くだろう。浮いたら今度は手足を動かしてみるんだ。顔をあげるのは一等おしまいだよ。……どうだい、もう一度やってみるか。」

次郎は、流石にすぐ「うん」とは言わなかった。そして、父から五六間もはなれた、ごく浅いところに行って、ひとりで頻りに顔を水に突っこみはじめた。俊亮は砂に腰をおろして、にこにこ笑いながら、それを眺めていた。

最初の間、次郎の息は三秒とはつづかなかったが、だんだんやっているうちに、それが五秒となり、七秒となり、とうとう十秒ぐらいまで続くようになった。