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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「だって、恭ちゃんが返事しないんだもの。」

「恭ちゃんにも行けっておっしゃったの?」

「うん、はじめは恭ちゃんに行けって言ったの。でも恭ちゃんが默ってるから、僕来ちゃったんだい。」

「恭ちゃんがいやなら、次郎ちゃんはなおいやでしょう。小っちゃいんですもの。」

「だって僕、父ちゃんが好きだい。」

「そう? お父さんお好き?」

「大好きだい。うちで一等好きだい。」

「そんなにお父さんは次郎ちゃんを可愛いがって?」

「ああ、ちっとも叱らないよ。」

「そりゃいいわね。……でも、昨日は一人で怖かったでしょう。」

次郎は急に肩を聳かして、

「ううん、ちっとも怖くなんかないよ。」

「まあお偉い。」

「だって僕、ここに来たいと思ったんだもの。」

「そう? ここのおうち、そんなにお好き?」

「うちなんかより、うんと好きだい、誰も叱らないんだもの。」

「でも、辰男さんと喧嘩なさるんじゃありません?」

「ううん、角力とるんだい。恭ちゃんや俊ちゃんとは喧嘩するんだけど。」

「いつも負けやしません? 恭ちゃんや俊ちゃんに。」

「…………」

「まけるんでしょう?」

「誰も見てないとこだと、僕きっと勝つよ。」

お浜は暗い顔をして唇を噛んだ。