Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶどうむもん
武道無門
山本 周五郎
Lesen Sie 武道無門 (ぶどうむもん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.130 Zeichen · 24 Bildschirme
それは当時江戸幕府はすでに三代家光の世であったが、社会的にはまだまだ草創時代の不安定さが残っていた、それで幕府は外様諸雄の取潰しを強行しつつ、有ゆる方法で徳川宗家の権威確立に努めていた。そのためには尾張家、紀伊家という存在すら、全く安全には視ていなかったのである。……こうした情勢から一朝西国に事の起った場合、岡崎は江戸幕府の最前線たる役割を持っていたし、殊に尾張家に対する「押え」として、その隠れたる使命には重要な意味があったのである。
忠善は岡崎へ封ぜられて以来、いちど尾張城下の実際を自ら探ってみたいということを考えていた。……彼は小野次郎右衛門から一刀流の極意を授けられていたし、儒、禅の学にも精しく、また小幡勘兵衛に就いて兵学を究め、その兵書に「水野抄」という一巻を加えたほどの人物だったから、名古屋城の探索には、自分の他に人はないと信じていたのである。然し、五万石の城主が自ら他領へ潜入し、その本城を偵察しようということは容易い業ではない、色々と機会をうかがっているあいだに二年経ってしまった。すると今日、計らずも松応寺ヶ原を通りかかって、小弥太の珍しい仕合振りを見ているうちに、ふいと心が決ったのである。