Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶどうむもん

武道無門

山本 周五郎

Lesen Sie 武道無門 (ぶどうむもん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.130 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

四

――そうだ、明日でかけてゆこう。

四

どうして急に心が決ったのか、小弥太の仕合振りがどんな暗示を与えたのか、それは分らないが、二年のあいだ頭にくすぶっていた考えが、にわかに活き活きと動きだしたのである。

その夜、忠善は病気を触れだした。宵のうちに呼ばれた侍医は朝まで奥殿から退らなかった。そして翌朝には家老拝郷源左衛門が政務を代行する旨を発表した。むろん、それは表向きのことで、実際はその朝早く、忠善はひそかに城を脱けだし、麻商人に姿を変えて尾張へ出発していた。供は岡野伊右衛門と宮部小弥太の二人であった。……彼等はその日、池鯉鮒で泊った。まだ午にもならなかったが、境川を越すと尾張領なので、手蔓を作る必要があったのである。然し幸いにもそれは直ぐに出来た。尾張の宮の糸問屋、島屋嘉助へうまく便がついたのである。その翌々日、池鯉鮒を立った三人は、宮へ着いて其処で二日泊り、島屋嘉助から更に名古屋城下の西条屋仁兵衛という問屋へ便をつけて貰って、愈々目的地に乗込んで行った。この五日のあいだ、忠善はそれとなく、小弥太の挙措に眼をつけていた。こんどの供には一言も指図がましい注意は与えてない。