Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶどうむもん

武道無門

山本 周五郎

Lesen Sie 武道無門 (ぶどうむもん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.130 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

六

忠善は自分の眼界が、冴え冴えと大きくひろがってゆくのを感じた。彼は馬を小弥太に近づけながら、明るい大きな声で叫んだ。

「小弥太、帰ったら組頭に申せ、今日限り先手組から去ると、これから……宮部小弥太は二百五十石の近習番だ」

六

尾張から帰って四五日経った。首尾よく役目を果して来たのに、なぜか小弥太は元気がなく、毎日浮かぬ顔で溜息ばかりついていたが、或る朝、……出仕しようとして、すっかり支度ができてから、急にまた座敷へ坐りこんで妻を呼んだ。

「そこへ坐って呉れ、話がある」

「もうご出仕の刻限でございますが……」

「出仕はしない」小弥太は思い切ったという調子で云った。お八重は黙って良人の次の言葉を待った。小弥太はごくっと喉を鳴らして、「出仕はしないし、拙者は、岡崎から退身しようと思う、いや退身しなくてはならないのだ」ひどく力をこめた調子であった。「おまえにはまだ云わなかったが、実はこんどのお供で二百石の御加増になった、一昨日、そのお沙汰書が下った、……然し、拙者には、とうてい、それをお受けすることができない、迚もできないのだ」小弥太の喉がまたごくっと鳴った。どういうように云ったら自分の気持が分って貰えるか、彼は己れの舌をもどかしく思いながら、吶々として続けた、「拙者はこの、五十石の現在の身分でこそ御奉公も勤まる、不甲斐ない