Japanische Klassiker mit Furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme
十六
(もう一つの路はどうでしょうかしら。)
と云った、様子には出さんでも、以前の難渋は、同然に困ったらしい。
もう一つと云うのは、小川が分れて松原の裏を行く、その川縁を蘆の根を伝い伝い、廻りにはなるが、踏切の処へ出る……支流で、川は細いが、汐はこの方が余計に注すから、どうかとは思ったものの、見す見す厭な路を繰返すよりは、
(行って見ましょう。)
と歩行き出して、向を代えて、もう構わず、落水の口を二三ヶ所、ざぶざぶ渡って、一段踏んで上ると、片側が蘆の茂りで。」
十六
「透かした前途に、蘆の葉に搦んで、一条白い物がすっと懸った。――穂か、いやいや、変に仇光りのする様子が水らしい、水だと無駄です。
(ここにいらっしゃい。)
と無駄足をさせまいため、立たせておいて、暗くならん内早くと急ぐ、跳越え、跳越え、倒れかかる蘆を薙立てて、近づくに従うて、一面の水だと知れて、落胆した。線路から眺めて水浸の田は、ここだろう。……
が、蘆の丈でも計られる、さまで深くはない、それに汐が上げているんだから流れはせん。薄い水溜だ、と試みに遣ってみると、ほんの踵まで、で、下は草です。結句、泥濘を辷るより楽だ。