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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「そうさな。まさか私だって、縁日の売薬みたいに、あれを看板に懸けちゃ置かん、骨を拾った気なんだから、何も品物を惜みはせんが、打棄っておきたまえ。そんな事を気にするのは宜くないから止したが可かろう。」

「貴郎、」

と優しい声がしたので、小松原は身を縮めて、次の室の暗い中を透かした。暑いので襖は無いが、蚊帳が重ねて釣ってある。その中に、浴衣の模様が、蝶々のように掠れて見えたは細君で、しかも坐って、紅麻に裳を寄せ、端近う坐っていた。

「何だ、起きていたのか。」

「はい、つい、あのお話しに聞惚れまして、」

と云うのに、しんみりと涙が籠る。

「どうも、」

とばかりで、小松原は額を圧えた。医師は事も無げに、

「聞いたのは構わんよ、沢山泣いて上げろ。だが、そこらへ溢しちゃ不可んぜ、水が出ると大変だ。」

「あれ、可厭な。」

「馬鹿だな、臆病。」

「だって、」

と蚊帳の裾を引被ぐ、腕が白く、扱帯の紅が透いた時、わっと小児が泣いたので、

「おお。」

と云って添臥したが、二人も黙る内、すやすやとまた寝入った。

「ねえ、貴郎、そうして、小松原さんのおっしゃる通りになさいよ。何だか可恐いんですもの。