Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
「手紙はたびたび貰っているが、君はあまり考え過ぎると思うね。だいたい自問自答というやつは、自分で自分の心を解釈するんだから、いつも標準が狂いがちなものなんだよ。だから、対象となる自分の心の状態が、どうも誇張されやすいのだ。ところで、しばらく来ない間に、だいぶ顔触れが変ったようだが……」
「ええ、最近に仮髪師を一人拾いましてな。ちょっとした端役もやりますんで、それに、浅尾為十郎という、ど偉え名をくっつけましたんですが……」
と儀右衛門に云われて、思い出したのであるが、楽屋口に入ろうとしたとき、一人の瘠せた老人を見たのを思い出した。その老人は、異様に皺が深く、ことに青磁色をした、珍しい皮膚の色が印象的だった。
儀右衛門は膝を組み直して、
「ところで、たびたび申し上げました、村次郎のことでござんすが、座頭の行衛について、一度ぜひお耳に入れたいことがございますので」
と云いかけたのを、慌てて遮って、
「君は、あまりに考え過ぎるんだよ。無暗に解剖をしたがるんだ。正直に云うと、里虹の事件よりも、自分の解剖の方が、面白いんじゃないかね」
と微笑んだ法水の眼には、儀右衛門の意外な変り方が映った。