Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
の物好きなのであろうか。それとも極端から極端を好む、女の心理なのであろうか……。
「由っちゃん」
黒吉は、由子の柔かい肩に、顎を乗せて、その透きとおったような、白い頸に見とれながら、
「由っちゃん、――なぜ俺なんかがすきなんだい、こんな怪物みたいな男が――。店にはもっと色男が一杯来るだろうに……」
「何いってんのさ、ふん、店に来るような、色男ぶった生ッ白い奴なんか大嫌いだよ――上べはすましているくせに、考えてることはみんな同じさ、どうせあんなところに来る奴は色餓鬼ばかりさ、あさましいってのか、なんてのか……いやんなっちまう――」
由子は、思いがけぬほど強い口調で、吐出すように「お客様」を貶しつけた。
「ふん、あたしはね、あんな狼みたいな野郎より、あんたみたいな心持のさっぱりした人が好きなんだよ……」
これが十六娘のませた恋愛心理だった。他人よりも恋愛については、二十年も経験を積んでいる由子だった。――曲馬団にいる頃はあんなに子供子供していた少女だと思っていたのに――。
「そうか――じゃ女の子に好かれるには、わざと知らん顔をした方がいいんだね」
「まア、そうね、だけど……ちょいちょいやったら承知しないわよ」