Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
「なるほど、ミケランジェロか。――しかしどこかでこんな構図のものを……」
「写真か何かで見た、っていうんじゃろう。その筈じゃよ、これはあの有名なシスティーン礼拝堂の大壁画『最後の審判』と同じなんじゃ。同じというより、これはその下絵か、又は特に頼まれての縮図じゃろうかね――いや、年代からいって、壁画を描いたあとで頼まれたものらしいナ」
「ほう、よくそんな細かい年代がわかりますね」
「わかるともさ――」
鷲尾老人は、いかにも得意満面といった様子で
「なにしろ、ちゃんと日附がついとるからの、この日附がついとるからこそわしが大切にしとったのじゃよ、わしはすべて数字ほど信頼出来るものはない、と信じておる。一たす一は二。これは大人でも子供でも同じことじゃ、ここらが数字のありがた味、とでもいうかナ、はッははは、こんなことからもわしには数学的な電気が性に合うらしいのじゃ。それで最も非数学的なもの、つまり恋愛というものを、じゃね、電気学的に闡明しようというのが、わしの念願じゃ……、そのためには、この画も手離さなけりゃならん……」
老人は、そういいながら、その画を裏がえして、埃っぽいカンヴァスを指さしながら、