Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
「ほう、初耳だね」
「別に、新聞にもそんなことは出ないようだがね」
「初耳だよ、で、犬はなんともないのかい」
「犬にゃ眠り病もないらしいね、しかしどういうもんか向うに行くと神経質になって、吠てばかりいて困ったが……」
「…………」
しばらく眼をつぶっていた村田が、急に蒲団から飛起きた。そして
「君、君、きのう此処で吠た犬はなんていったっけね?」
「なんだい急に――、ゲンのことかい」
「そう、それそれ、それとあのポケットテリヤを借してくれないか」
「借してくれ――? どうしたんだい一体」
「いや、急に思いついたことがあるんだ、眠り病だ」
「しっかりしてくれよ、なにいってんのかさっぱりわからんじゃないか……」
「……、そうか」
村田は、やっと苦笑すると
「とにかく、その二匹を借してくれたまえ、東京に連れて行って研究したいんだ」
「研究材料にはもったいないよ、そんなことなら野良犬で沢山じゃないか――」
「いや駄目だ、あの二匹にかぎる」
「無理いうなよ……」
「無理なもんか、別に殺す訳じゃあるまいし、それに、人の命にくらべれば問題にならんよ」
「だからさ、どういうわけであの二匹を君が……」