Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
「じゃ向うに行こう……」
又、長い廊下を、こつこつと進んで行って、第五〇二号と書かれた部屋の前に立止った。
「ここは、最近だいぶ犠牲者を出した部屋だ――」
「犠牲者――?」
中野は、一体そのなかからどんなものが飛出して来るのかと、一寸尻込みをしながらそれでも怖いもの見たさでおずおずと覗きこんだ。
其処には、白銀色の大きな潜水艦のようなものが、七八分通り組立てられてあった。
「月世界行のロケットだ、第二号目さ」
「第二号目……というと?」
「第一号は、失敗してしまったのさ。十分の一秒の計算違いをしたために、えらいことをしてしまった」
「たった十分の一秒の違いですって?」
中野は訊きかえした。
「そうだよ、それがえらいことなのだ。大体月までの平均距離は三十八万粁ばかりある。それを一秒間に五百米のスピードでロケットを飛ばして行ったとすると約八日と二十一時間かかるんだ。一秒に五百米なんていうスピードは一寸想像も出来ない。ましてそれだけのスピードを持たすための初速度は実に物凄いもので、たかが市内電車の急発車でもひっくりかえるような人間は、ロケットが飛出した瞬間に床に叩きつけられて死んでしまう位がオチさ。