Japanische Klassiker mit Furigana
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つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme
主人と客(一)
ように云った、「その栗の木の林がどこにあるか教えて」
「いっしょに来ればわかるよ」
「いまはだめって申上げているでしょ、畑中の早苗さまが待っているのよ」
「兄の采女もいっしょにか」
「ばか仰しゃい」と云って雪緒は急に口へ手を当て、それからすばやく囁いた、「お縁側へどなたか出ていらしったわ、あの方がおじいさまですの」
「そうじゃない」佐藤正之助は伸びあがって、広庭の向うにある母屋を見た、「あれは祖父じゃあない、私の知らない人だ」
「まいりましょう、みつかると困りますわ」
主人と客(一)
梶本枯泉は広縁に立って、庭の西端の松林と、その向うにひろがる湖の青い水面と、湖を越した対岸の遠い山なみを眺めながら、幾たびも胸をひろげて深い呼吸をした。
「いいな、昔のとおりだ」と梶本は云った、「松林が高くなったくらいかな、いや、湖水へおりる道がもっとこっちにあったようだな」
「道は十年ほどまえに移した」と座敷の中から佐藤又左衛門が云った、「道の幅だけ松林に隙間があって、向うの山が見えすぎるんだ、若いじぶんはいい眺めだと思ったがね、年をとってからはそれがうるさくなったよ」