Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゅうにくとばれいしょ
牛肉と馬鈴薯・酒中日記
国木田 独歩
Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme
これを見るに就けて自分の心は愈々爛れるばかり。然し運命は永くこの不幸な男女を弄そばず、自分が革包を隠した日より一月目、十一月二十五日の夜を以って大切と為てくれた。
この夜自分は学校の用で神田までゆき九時頃帰宅って見ると、妻が助を背負ったまま火鉢の前に坐って蒼い顔というよりか凄い顔をしている。そして自分が帰宅っても挨拶も為ない。眼の辺には泣きただらした痕の残っているのが明々地と解る。
この様子を見て自分は驚いたというよりか懼れた。懼れたというよりか戦慄した。
「オイどうしたの? お前どうしたの?」と急きこんで問うたが、妻はその凄い眼で自分をじろりと見たばかりで一語も発しない。ふと気が着いて見ると、箪笥を入た押込の襖が開けっ放して、例の秘密の抽斗が半分開いていた。自分は飛び起った。
「誰が開けたのだ」と叫けんで抽斗に手をかけた。
「私が開けました」と妻の沈着き払った答。
「何故開けた、どうして開けた」
「委員会から帳簿を借してくれろと言って来ましたから開けて渡しました」とじろり自分の顔を見た。
「何だって私の居ないのに渡した、え何だって渡した。怪からんことだ」