Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんちょうさらやしき
番町皿屋敷
岡本 綺堂
Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme
武を表とする青山の屋敷に、生ぬるい女子などを飼って置くのは面倒であると播磨はいった。しかも彼にとっては苦手の伯母御の意見といい、それに忤らってはよくないという十太夫の諫言もあるので、播磨も渋々納得して、申訳ばかりに二人の女子を置くことになった。台所を働くお仙という女は知行所から呼び寄せたが、主人の手廻りの用を勤める女は江戸の者を召仕うことにして、番町から遠くない四谷生れのお菊というのを一昨年の秋から屋敷に入れた。それが今たずねて来た母のひとり娘であった。
台所働きのお仙も正直者であったが、腰元のお菊も甲斐甲斐しく働いた。二人ともに揃ってよい奉公人を置き当てたと、渋川の伯母も時々見廻りに来て褒めていた。実際、お菊が初めて目見得に来た時に比べると、屋敷の内も余ほど綺麗になった。殊に台所などは見違えるように整頓して来た。お菊の目見得が済んで、母がその荷物をとどけに来た時には、彼女も内心少し驚かされたのであった。これほどの屋敷の内に女というのは、台所のお仙一人で、そのほかはみな犬の肉でも喰いそうな荒くれ男ばかりである。殿様は上品で立派な男ぶりではあるが、これも癇癖の強そうな鋭い眼を光らせている。