Japanische Klassiker mit Furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme
「ハテナ、その外にお前が見たいものなんて、一寸想像が出来ないね。云ってごらん。何も遠慮することなんかありゃしない」
「あのう……」
「ウンなに?」
「あなたのお顔が見たいのよ」
瑠璃子は思い切った様に云った。
「エ、わしの顔? なにを云っているんだ。わしの顔はこうしてちゃんと見ているじゃないか」
「でも、……」
「でも?」
「あなたはいつも、そんな大きな色眼鏡をかけていらっしゃるのですもの」
「アア、そうか、お前はわしの目が見たいと云うのだね」
「エエ、一度その眼鏡をはずして、あなたのお目をよく見たいのよ。何だか変ですわ。妻が夫の目を見たことがないなんて」
瑠璃子は遠慮勝ちに尋ねた。彼女は何かしら不安を感じている様子だ。
「ハハハ……、この眼鏡かね。これは滅多なことでは脱さないのだよ。例えば婚礼とか臨終とか、そんな風な一生涯の大事の場合の外はね。わしは熱帯地方の烈しい日光の為に目を痛めて以来、医者からお日さまを見ることをかたく禁じられているのだよ」
わしは眼鏡の奥で目を細くして答えたものだ。
「それじゃ、今おはずしなさってもいいじゃありませんか。今日はその婚礼の前日なんですもの」