Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

なにしろ兵は野性だ。将も人間である。本能やりばなき、血のなかのものを、義貞もいま、三条高倉邸の離亭の一灯に照らして、みずからの身に見ていた。

おれも豼貅の一匹

と覚らざるをえまい。――目のまえの勾当の内侍は、ともすればただうつむきがちだった。あれから義貞はそこへ酒をはこばせてしきりに酔いをいそぎ、そして内侍へも、

「飲まぬか」

と、すすめていたが、ふたりの仲はたやすく美酒のごとく醸されては来なかった。――天皇から賜うた女と、賜わった男とである。いわばまたその初夜だった。――人はやはり品ではない。溶けきれないもどかしさを徒らにふたりはいつまで心の外側にむかい合っていたままだった。

「……そなた、武者の家の生活はまだ知るまいがの」

義貞はふと、こんな緒をみつけて言った。ひとつの話がとぎれると、あとの話題も彼がもちだすほかないのであった。

「ええ……」と、内侍もやや頬の解れをみせて「武者のお家はおろか、世間のことも、何一つようぞんじてはおりませぬ」

「さいぜん、内裏は火宅じゃとの嘆きだったが、武者には武者の業がある。ここもまた火宅とあとで悔いねばよいが……」