Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
「はてね、あの衆は、いくさに征くのとは違うのか?」
と、あやしんでいた。
戦場に立つ兵士といえば、かならずわいわい喊声をあげている。前の晩から飲みとおして酒気のさめてない者すらある。そういう狂噪の兵を見つけている庶民には、彼方の菊水旗の一群が、ひどく活気のない、弱そうなものに見えた。
「だが、あれは河内守さまの御人数だろうが」
「そう。菊水の旗は、よそにはない」
「ならば、どこぞへ、御宿所替えをなさるのじゃろ」
「どうして」
「けさ、六条の御門前を通ったら、ご家中が皆して、大掃除をしておられた。戦に立つものなら、何も悠長に、あとの掃除などして行かっしゃるはずはあるまい」
なるほど、そんなことか、と染屋の男女はもういぶかってもいなかった。ところがやがて午ごろ、べつな一隊がまた大路の方からくだって来た。そのなかには正成の姿が見えた。――花山院の皇居からたったいま退出して、これに待っていた一勢と、ひとつになったものだった。
正成をここに迎えると、
「殿」
と、ばかり彼のそばへすぐ大勢の部将たちが、むらがっていた。
南江備前守正忠
佐備ノ正安
和田五郎正隆
安間了現