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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

と、席を分けた。社家の客殿である。迎えは義貞からやったので、あすの打合せかたがた、こよいの兵食を共にしようということだった。

「ちと、遅着を」

と、正成はまずわびた。

「桜井に一宿、芥川も日和に過ぎつつ、あれから降られ通しましてな」

「西国街道がぬかッたひには、二日路が三日もかかる。ま、上をお脱りなさらぬか」

上をとは、大鎧のこと、義貞はすでに胴巻だけのくつろぎになっていた。

夕凪の暑さに加えて、ここの蚊うなりは猛々しい。侍臣のすすめに、正成も上をぬいで、後ろにおいた。

あれから夕方まで、生田川の川原では、正成の部下がみな裸になって、みそぎするように汗を流したり泥土の具足を洗っていたが、正成もまた、そうして来たのか、よろい下着にも、汗ジミのない白い襟もとを涼やかにのぞかせていた。

「河内どの。遅くはない。大詰のたたかいは、まず明日か。よい日にお見えあって、義貞も心強う存じ申す」

「なにほどのお力にもなりますまいが、ひきつれてまいった一千は、みかどの御楯となって死ぬぶんには悔いを持たぬ、笠置、千早いらいのつわものばかりです。あすこそは、敵のもっとも強手に当ッて、日頃の国恩におこたえ仕りたいと存じておりまする」