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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(三)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme

Aozora Bunko

と、言った。

「や?」

彼らの中には、一つの張輿がまもられていた。いうまでもなく、その内の人は、捕えられた小右京であろう。が、ただ人とも見えぬ相手とながめて、

「なにか、御用か」

と、内の一名が、進み出て、まずはおだやかに応答した。

「そちは佐々木の内の、何役の何と申す者だ」

「早川主膳と申す者。家職の一名にござりまする。あなたは、高氏どのですな」

「そうだ。狼藉は、主人のいいつけか、なんじらの意志か」

「狼藉ではございませぬ」

「だまれっ。小右京どのは、この高氏が故あって見ておるもの。いわばわが家のひとり。どこへ連れてゆく」

「わが家のひとり? ……。はて初耳、そんなお言いがかりは受けとれぬ。かねがね、主人道誉がなにかと仕送りもし、また行く末のご相談にもあずかっていた女性でおざる。連れ戻るにふしぎはない」

「渡さぬな」

「ご不足なら、主人へじかにおかけあいなされい。われらはただ主命によること」

「しゃッ」

いきなり駒を割り入れて。

「輿を下に置けっ。置いて立ち去れ。佐々木へは、おれからいう。なにっ、渡さぬと」

彼は、鞭を振りかぶった。

鞭のうなりが、そこらの武士を、めちゃめちゃに撲り廻った。