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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

そのため六波羅では北殿から界隈いちめんの武家やしきまでをそれの収容にあてて、いまもかりの皇居はそこにおかれたままで内裏へはいつお還りになるともみえぬ状態にあるのである――と。

「大蔵」

「へ」

「どうもわしの訪ねる壬生のあたりも心もとないな」

「焼けているかもしれませんね。いや家は残っていても、おそらく人は住んでおりますまい」

「さてどういたそう?」

「ほかにお心あては」

「壬生がだめだとすれば、嵯峨の寺だが」

「寺ならなにも」――と大蔵は立って、急に近くの阿弥陀ヶ峰や東山を見まわして言った。「このあたりだって、寺はいくらもありますぜ。それに、てまえが存じ寄りの寺もある。ひとつ、お気らくな当座のおちつき場所を、てまえが行って、諸所問い合せてみましょうか」

しばらく考えていたが、時親は。

「では、さがしてもらおうか。身さえおける所なら、壬生ともかぎらぬ。嵯峨ともかぎらぬ」

「寺ならいいんでございましょ」

「が、なるべくは、武者などのたちよらぬ、静かな寺院の一室なと借りうけたい」

「お案じなさいますな」と、大蔵はこころえ顔に「――小寺ですが、てまえが六波羅にいたじぶん親しくしていた和尚がいまも鳥部野にいるはずです。