Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme
「なんとも、身のあぶらを絞られるおもいでございました」
「ふウむ」
「先年、美保ヶ関でお引き継ぎをうけたさい、殿のお耳打ちもありましたことゆえ、島では、先帝以下、三名の典侍たちへも、ずいぶん御自由な日々をお過ごしさせておいたのです」
「むむ。あの折は、おぬしへ、確かにそう耳打ちしておいた」
「ところが」
「どうしたのか」
「事々、この鎌倉表へ、知られております。――御酒は禁断なのに、御酒をさし上げたこと。配所外への、ご歩行は一切まかりならずとあるに、ご歩行をおゆるししたのはいかなるわけか。――また、鎌倉の許可なく、余人を近づけ奉るべからずという厳令をやぶって、鰐淵寺の僧頼源や二、三の土着武士を帝にお会わせしたことまでも」
「わかっていたのか」
「ぎょッといたしました。千里の先を、鏡にかけて見るかのような、一々の質問で」
「……ははあ」
「お心当りがございますか」
「帝のおそばの典侍のひとり、小宰相ノ局は元々鎌倉のまわし者だ」
「それはこの清高も、知らぬではございません。しかし島のことです。どうあっても、鎌倉へ内報の手だてはないはずでございましたが」
「いや。待て清高」
何のつもりか、道誉はつよく首を振った。