Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
「あああの時に。―――じゃあもう三四年も前のことですな」
「ええ、そうなんですの。―――あの時はお友達と三人で押しかけてって、臥てらっしゃるのを無理に起しちゃったりして、女ギャングだとお思いになったかも知れないわ」
「全く女ギャングですよ」
と、さっきから紹介されるのを待ち構えながら、茶の背広服の両膝をついて腰を浮かしていた橋寺が、チラと夫人に横眼を使って微笑を浮かべながら云った。そして、
「や、わたくしは橋寺と申します、初めまして、………」
と、先ず貞之助に挨拶をして、
「どうも全くこの奥さんは女ギャングでいらっしゃるんですよ。何でもかんでも附いて来なければいけないって云う訳で、今日はわたくし、何が何やら無我夢中で引っ張り出されて来ましたんで、………」
「まあ、橋寺さん、男らしくもない、出ていらしった以上はもうそんなこと仰っしゃるもんじゃなくってよ」
「ほんとうですわ」
と、井谷も一緒になって云った。
「―――何もそんな言訳をなさらなくってもいいじゃございませんか。男と云うものは往生際が肝腎ですわ。第一わたくしたちに対しても失礼じゃございません?」
「いやどうも、―――」