Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
「血合のとこが一番危険や云うことでございますが、それを二つ三つお上りになったそうでございます」
「あたしと雪子ちゃんは、鯖は決して食べたことないねん。あれ食べるのんこいさんだけやわ」
「一体こいさんは、あんまり外でいろいろなもん食べるよってにな」
「ほんにそうやわ、先からあの人、めったに家で晩の御飯食べたことあれへん。いッつも料理屋の御飯ばっかり食べ歩くさかいに、そんなことになるねん」
発病以来の啓坊の態度はどうか。表面は取り繕っているけれども、内心伝染病の患者などを引き受けるのは迷惑なのではないか。最初は軽い腸加答児ぐらいに考えていたのが、そうでないと分って見れば手に負えなくなって来たので、なるべく蘆屋の方へ引き取って貰いたいのではないか。―――幸子たちは、一昨年の水の時の仕打ちを思い出して、そんなことも気に懸ったが、それもお春の観察に依れば、格別そう云う風にも見えない。あの水の時は、平素お洒落の人なので、ズボンを濡らすのが厭だったのであるが、伝染病の方はそう恐がってはいないらしい。或はあの水の時の仕打ちが、妙子に愛憎を尽かされる原因の一つになったので、今度は努めて実意のあるところを示そうとしているのかも知れないが、手元に置いて治療させようなどと云うことも、満更口先のお上手のみではないらしく見える。