Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうどく

聴雨・螢 織田作之助短篇集

織田 作之助

Lesen Sie 聴雨・螢 織田作之助短篇集 (ちゅうどく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.162 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

パトロンの舌には半分融けかかった仁丹がいくつもくっつく……。しかしパトロンは気づかない。

私は想像して、たまらなかった。半分融けかかった仁丹が、劇薬だったらと思ってみたりした。私は彼女と会うことをよそうと思った。べつに惚れているわけでも深い関係があるわけでもなかった。パトロンのある女なんか……と、軽蔑してしまえばよかったのだ。ところが、ますます会いたくなった。私は約束の時間より早い目に行き、いつも待たされる男だった。待っても来ない時があった。パトロンと会うてるのだろうか。そう思いながら、待っている間、私は煙草ばかり吸っていた。その酒場へ行っても、彼女がほかのボックスへ行っている間は、いらいらと煙草を吸っていた。夜、彼女がパトロンと一緒にいる光景がちらついて、眠れず、机の上に腹ばいになって、煙草ばかし吸った。私の喫煙量は急に増えて行った。

そして、私は放蕩した。宮川町。悔恨と焦躁の響きのような鴨川のせせらぎの音を聴きながら、未知の妓の来るのを待っている娼家の狭い部屋は、私の吸う煙草のけむりで濛々としていた。三条京阪から出る大阪行きの電車が窓の外を走ると、ヘッドライトの灯が暗い部屋の中を一瞬はっとよぎって、濛々とした煙草のけむりが照らされ、私は自分の堕落が覗かれた想いにうろたえて、重く沈んでいると、