Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

撚りの戻る頃

「えゝ」

と母親も怪訝な顔をした。

「然うかい。松浦さんではお父さんがお悪いそうだ。昨日の昼頃電報が来て皆さんが引揚げた」

「それは/\何ういう御病気でございますの?」

「唯病重しという丈けの電報で能く分らないのさ。二三年前からの持病が嵩じたのか、脳溢血でも起ったのかって、皆取るものも取り敢えず帰って行った」

「困りましたわね」

「新太郎や、お前は彼方へ行っていなさい。後からで宜い。後からで宜い」

と父親は急に気がついたように幾度も頷いた。

新太郎君は店へ引き返して、早速寛一君に耳打ちをした。

「君、話が進んでいる証拠だよ」

と寛一君は道理な判断を下した。

「然うかな」

「当り前なら病気見舞に行くほどの交際じゃない」

「それにしても悪い時に発病したものだ」

と新太郎君は真剣な顔をした。

「ところで明日は何うする?」

「もう行く必要はない」

「現金な奴だなあ!」

と寛一君は覚えず大きな声を出した。

撚りの戻る頃

晩飯の時、新太郎君はこの食卓に親子三人揃うのは久しぶりだと思った。丁度二月半になる。気もない神経衰弱を言い立てたのは五月末だった。六月一杯は転地療養と称して大っぴらに遊び暮した。