Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
しかし略式ながら縁談らしいことを切り出していて見ると、何ういうものだろうな? 為にするところがあるように取られるのも辛い。種々と考えて見た。結局お前が顔を出せば当らず障らずだろうと思う。お前は松浦さんと去年からの馴染だから、その舅さんを見舞いに行く分には差支えあるまい」
「はあ」
「今夜とも思ったが、取込み中だろうから、昼間の方が宜かろう。なあ、お直」
「然うでございますとも」
「それじゃ明日の朝行って来て貰おう」
「はあ、承知致しました」
「新太郎や、お父さんのようなブッキラ棒な人が初対面早々の松浦さんにこんな話を持ち出すのは大抵のことじゃありませんよ。皆お前が可愛いからだからね」
と母親はこの際父親の前で有効に釘を打って置く必要を認めた。念が入ると自然に冗くなる。
「まあ/\、今夜は愚痴を言いなさんな。新太郎だって分っている。実はもう少し目鼻をつけて来る積りだったが、先方のお父さんの発病で何も彼も一時沙汰止みだ。まあ、大体そんなことだと思って、店の方を一生懸命でやるさ」
と父親の方が却って執成してくれた。新太郎君は感激して引き下ると共に、帽子を被って部屋から出て来た。