Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
再び松浦家の門前へ差しかゝった時、
「君、未練の残らないようにもう一遍能く拝んで行き給え」
と寛一君が諢った。
「合点だ」
と新太郎君は調子づいて、ツカ/\と潜りへ進み寄った。丁度その折、内から戸が開いて、人が出て来た。
「やあ、これは/\」
と松浦さんだった。門燈は新太郎君の顔を正面に照らしていた。続いて秀子さんと芳子さんが現れた。
「あらまあ!」
と秀子さんの声が筒抜けた。
「ついそこまで……」
と新太郎君は直ぐに行き詰って、寛一君を指さした。
「原田君も御一緒ですね。さあ、何うぞ」
と松浦さんは態の訪問と思い込んだ。寛一君は揉み手をしながら進み出て、
「うまく見つかってしまいましたな。実は早稲田の友人のところへ行った帰りです」
と嘘をついた。
「丁度好いです。さあ、何うぞ」
「お出かけでございましょう?」
「いや、構いませんよ」
「縁日ですから、何うでも宜いんでございますよ」
と秀子さんも言葉を添えた。
「いや、今晩はこれで失礼致します」
と新太郎君は又してもチョッカイの祟りを覿面に感じて、一生懸命だった。
「何故? 西川さん」
「真正に上る気で伺ったんじゃないんですもの。