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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

この友三郎さんも金持の婿養子にあり勝ちな好いばかりの人である。

「操さん、ねえ、あなた」

の連発で家つきの娘さんに敬意を表する上に、気むずかしいお母さんの御機嫌を取る。お父さんに較べると負担が二重だ。しかしそれは元来覚悟で来ている。実に能く努める。会社や銀行へ行ってこれ丈け気骨を折ったら命が続くまい。幸いにして夫婦の情愛が収支償うようにしてくれる。この点はお父さんも同じことだ。操さんにしてもお母さんにしても我儘には相違ないが、生物としての良人は充分大切にしてくれる。それに食う方の心配がないから凌ぎ好い。渾身の力を辛抱に振り向けることが出来る。実際松浦家は大旦那の諦めで持っている。すべて権力というものは唯一箇所に集中されていて動かなければ宜しい。家庭の権力も亦その如く、男にあっても女にあっても差支ない。一人が完全に握っていれば宜しい。争奪戦が起ると乱脈になる。松浦家は昔からお天下さまが一人に定っているから常に円満だ。

さて、若い松浦さんは新太郎君のお父さんから秀子さんを懇望された時、

「宜しゅうございます。一つ考えて見ましょう」

と引受けた。お父さんと同じ境遇だから、可否即答ということは決してしない。