Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
と友三郎さんは数年の長がある。手を焼いている丈けに用意周到な義兄振りを示した。
そこへ操さんが入って来て、
「あら、お二人きり? 秀子さんは?」
と訊いた。
「この前の日曜のことを根に持って未だお冠を曲げているようです」
「仕様のない人ね。呼んで参りましょうか?」
「この間は真正に失礼致しました。祝勝会の方へ引っ張られて晩くなってしまったものですから」
と新太郎君は頭を掻いた。
「お察し申して居りましたのよ」
「操さん、秀子さんを少し教育するようにって、今申上げていたところです」
と友三郎さんが問題に触れた。
「我儘でございますからね」
「そんなことはありません」
と新太郎君は黙っていると認容することになる。
「私、呼んで参りますわ」
「宜いですよ。打っちゃってお置きなさい」
「あら、庭に出ていますのよ」
と操さんは障子の硝子から覗きながら、
「西川さん、彼方へ如何?」
と誘った。
「はあ」
と新太郎君は素より望むところだった。友三郎さんと野球の話をする為めに来たのでない。序ながらお父さんお母さんの御機嫌を伺って、間もなく縁側へ出た。
「西川さん、一寸」
と案外にも秀子さんの方から言葉をかけた。