Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
その意味から既に先方へ諾意を表していたのである。母親は実の姉の店のことだから無論異存のあろう筈がない。銀座々々と言って尠からず鼻にかけているくらいだ。
「寛一君、宜しく頼むよ」
と新太郎君も歓迎した。寛公なら組し易い。気心の知れないものよりも我儘が利くという肚だ。新太郎君のお母さんに至っては、
「寛一や、お前が来てくれゝば新太郎にしても何んなに勤め宜いか知れないよ。伯父さんだってやかましいばかりじゃありません。あれでも目はあるんだからね、精を出して働いておくれよ」
と身贔屓の強い人丈けに、自分の勢力を拡張した積りだった。要するに寛一君は八方四方の賛同と期待を受けて、○○大学卒業早々伯父さんの店へ入ることになったのである。
成程、商売と学校とは違う。従兄弟同志は勤め始めてから一週間ばかりたった時、ツク/″\然う感じた。店員の模範になるどころか、一々係りの番頭から手解きをして貰わないと仕事が分らない。寛一君は一生懸命だった。新太郎君も寛一君に引かれてコツ/\やっていたが、或日のこと、溜息をついて、
「寛一君、何と物は相談だが、もう少しお手軟かに願えまいかね?」