Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
「然う下から出るなら一臂の力を貸してやる」
「当分は秘密を守ってくれ給え」
「宜いとも」
「イヨ/\となったら君からマザーを説いて貰うんだ」
「宜いとも」
と寛一君はもう悉皆知己に感じてしまった。学校時代にカンニングの手伝いをして退学になりかけた丈けのことはある。頼まれゝば何でもする。
「皆君の来るのを待っているんだぜ」
「それは有難い」
「一寸行って見ようか?」
「もう晩いよ。何うせ明日会うんだもの」
「それも然うだね。これから土曜日に屹度やって来給え。八月になったら一週間休暇を貰うさ」
「実はその辺まで考えて君の方も七八両月と伯母さんに吹っかけて置いた」
「有難いね。実はこゝはもう七八両月と借り切ってあるんだよ。東西期せずして肝胆相照らしたのも妙さ」
「何とか言って、実は網を張って綺麗な魚を待っていたんだろう?」
「いや、松浦さんが定めた日に僕も定めたんだよ。金を払ってしまって、ソロ/\窮乏を告げそうだ。しかし一緒に言ってやるのは策の得たものでないから、その方は後廻しにして又君を煩わせるのさ」
「ナカ/\考えているね。少し置いて行こうか?」
「未だそれほどでもないが、帰ったらマザーに予備知識を与えて置いてくれ給え」