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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

と新太郎君は遠いこと近いことを一々頼む。

二人は松浦さんと去年からの知合である。毎日海岸で顔を合せてお天気の挨拶を交している中に、

「あなた方学校は何処でいらっしゃいますか?」

「○○です」

「はゝあ、私も彼処を出たんですよ」

と先輩後輩のことが分って急に懇親を加えた。松浦夫人は未だ若かった。その妹さんが秀子さんと芳子さんで、その下に中学生の弟があった。新太郎君と寛一君はこの少年に游泳を教えた。松浦さんは金槌の方だったから、それからの滞在中二人を頼みにしていた。新太郎君は秀子さんが忘れられなかった。その後時折噂に持ち出して寛一君に冷かされた。尚お去年の暮に松浦さん夫婦が銀座へ買物に来た時、偶然家の前で行き会った。

「こゝですか? あなたのお宅は」

と松浦さんはその節新太郎君の家の商売を承知した次第である。新太郎君もその前に卒業生名簿を繰って松浦さんの身元を研究する丈けの興味を持っていた。松浦友三郎の下に旧姓小早川と括弧がしてあったので、

「君、松浦さんは養子だぜ」

と寛一君に報告した。

「商売は何だい?」

「書いてない」

「それじゃ金の番人だろう」

と寛一君も養子と定めてしまった。