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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

兎に角貰いたいことは私が保証します」

「そんな保証はして貰いたかないわ」

「けれども何うせ貰うものなら本人の気に入ったのが宜いでしょう?」

「それは然うですけれども、未だ身許も碌々分っていないじゃありませんか?」

「身許の確なことは私が保証します」

「保証ばかりしているのね。牛込弁天町の松浦何というの? お父さんは」

「さあ。お父さんの名は分りませんが、養子の方なら松浦……松浦……何三郎といいましたかな?」

「駄目ね」

「学校の卒業生名簿を見れば分るんですがな。新太郎さんの本箱に入っています」

「持って来て見給え」

「はあ」

と寛一君を二階へ立たせて、

「御覧。あの通り二人共謀になっている」

と伯父が苦り切った。伯母は忌々しそうな顔をしたが、何とも言わなかった。

間もなく寛一君は卒業生名簿を持って下りて来た。撥ったら直ぐにマのところが開いた。

「これです。松浦友三郎でした」

「どれ」

と伯父は眼鏡をかけて一応吟味した後、そこに枝折りのように挾んであった紙片を摘み上げた。

「何んでございますの?」

と伯母が伸び上った。

「おや/\、興信所の調査だよ」

と伯父は拡げて少時見入っていた。